【高校生物】植物の細胞壁の構造 シンプルに解説しました

植物の細胞壁は、セルロース繊維とペクチンとヘミセルロースから成る。生物と分子
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今回は、植物の細胞壁の構造を紹介していきます。

あまり詳しく触れる機会がないと思いますが、知っておくと時々役に立つ…かも?

植物の細胞壁の成分

まずは植物の細胞壁がどのような成分から成っているかおさらいしましょう。

植物の場合、細胞壁の主成分はセルロースです。セルロースは、D-グルコースという糖がβ-1,4-結合という結合の仕方で長くつながった多糖類です。
そのほかに、ヘミセルロースやペクチンという成分が細胞壁を構成しています。

植物以外の生物種も細胞壁をもっています。それぞれの生物種がどのような成分で細胞壁を構成しているかを上記の記事で解説しています。

植物の細胞壁の構造

植物の細胞壁中では、セルロースの鎖がたくさん束になって集まり、セルロース繊維という構造ができています。細胞壁はセルロース繊維がたくさん集まり、その隙間(マトリックスといいます)を多くの高分子が埋めているような構造です。

セルロース繊維は、いわば細胞壁の骨格を構成するという役割を担っています。

マトリックスに存在する高分子は、大きく分けるとヘミセルロースペクチンに分けられます。ヘミセルロースにはセルロース繊維同士を水素結合によって結合させる役割が、ペクチンには細胞をつなぎ合わせる接着剤のような役割があります。

これらのほかにも、マトリックスには様々なタンパク質やフェノール性化合物が存在します。フェノール性化合物の中で代表的なのが後述する二次細胞壁の構成成分であるリグニンです。

ヘミセルロースとセルロースは名前は似ていますが特に関係はありません。ヘミセルロースは水に不溶・アルカリに可溶の多糖類ですが、セルロースは水にもアルカリにも不要な多糖類です。

ジャムを作ったことはありますか?ジャムは煮詰めていくうちにとろりと粘度があがっていきますね。これはペクチンの作用によるものです。ペクチンには粘度をつける増粘安定剤としての作用があり、ジャムを煮詰めていくと材料の果物や野菜に含まれるペクチンが溶け出してくるのです。

一次細胞壁と二次細胞壁

植物の細胞壁をもう少し詳しく分類すると、一次細胞壁二次細胞壁に分けられます。

一次細胞壁はすべての植物細胞が持っている細胞壁です。

それに対して二次細胞壁は、維管束組織表皮組織などの一部の組織や細胞で形成されます。二次細胞壁は、植物細胞に機械的な強度を与え、維管束組織を作ることで水の輸送を可能にし、表皮組織を作ることで水分の損失を防止するといった機能を担っています。

二次細胞壁は、セルロース繊維とヘミセルロース、そしてリグニンを主要な構成成分としています。リグニンは植物の木化にかかわる物質で、樹木が固くなるのはこのリグニンが影響しています。

リグニンが二次細胞壁に沈着すると木化という現象になりますが、
スベリンという物質が沈着するとコルク化
クチンという物質が沈着するとクチクラ化となります。

まとめ

植物の細胞壁の構造について紹介しました。

ポイントは、セルロース繊維、ヘミセルロース、ペクチンの3つの成分でしたね。
別記事で他の生物種の細胞壁の構成成分についても解説していますので、併せて読んでみてください!

それでは!

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